しがない30代フリーターの苦悩と冒険

30代の独り暮らしのフリーターの生態です。ここから幸せな人生を歩み、その軌跡がいつか誰かの参考になれば幸いです。

30代フリーター銀座に行く

数ヶ月ぶりに銀座に行った。

デジカメの修理が完了したということでライカのリペアセンターまで受け取りにいったのだ。

フリーターがライカだと!?と思われるかもしれないがライカの中では一番安いタイプのデジカメだったのでフリーターでもなんとか買えたのだ。

ライカのリペアセンターに行くのは初めてだった。実際に行くと1階はショップ、2階はリペアセンターというつくりになっていて1階はとてもキレイでショーケースの中にはうん十万から百万円ぐらいのライカたちが飾られていた。客は僕一人だったので正直ちょっと緊張した。

そして2階の簡単な写真ギャラリーを通りリペアセンターに。

そこで白衣を着た初老のリペアスタッフさんからカメラを受け取ったのだ、が。

「こちらでお間違いないでしょうか?」

「はい、大丈夫です」

「こちらのパーツ取り付けですね?」

「はい、あ~しっかりついてますね~、ありがとうございます。」

「とんでもございません・・・ん?」

「え?」

「大変申し訳ございません、新しく取り付けたこちらのパーツですが少し傷が見られます、すぐに新しいパーツと取り替えますので少々お待ちいただくことはできませんか?」

「(傷なんてまったくわからなかった・・・)大丈夫です」

「申し訳ありません、すぐに取り替えてお持ち致します」

 

といったやり取りがあった後2,3分で新しいパーツを取り替えた僕のデジカメはやってきて無事受け取りは完了した。

僕のデジカメはけっこう傷だらけである。ちょっとした冒険旅行が好きなのでどうしても傷がついてしまうのだ(僕の性格が大雑把なことも傷の原因)だから正直対応してくれたスタッフさんが気づいてなおかつ言わなければ僕は絶対にその替えてくれたパーツのほんの小さな傷には気づかなかっただろう。にもかかわらずそのスタッフさんはそういった対応をしてくれた。

ライカのユーザーは間違いなく富裕層が多い、カメラという商品の性質上神経質な客も多いだろう、だから真摯な対応を心がけている、確かにそういう面もあったかもしれない。

だけどパーツを取り替えてきて僕にカメラを渡してくれた時のスタッフさんの表情からは、なんか、こう、いい仕事したな~って感じてる時に人がする表情が見て取れた。

ああ、この人は自分の仕事に誇りを持って仕事してんだな。そして(おそらく他のスタッフさんが着けた、客が見ても気づかないような)小さな傷があるパーツのまま渡すのはそのスタッフさん自身が許せない事だったんだなと感じた。

尊敬するな~そういう人、と同時に少しうらやましかった。

 

それにしてもやっぱり銀座という場所はある程度以上に成功した人がある程度以上の商品やサービスを求めてやってくる場所だ。こんなちょっとしたやり取りだけでそれがわかってしまう。

 

つづく